japaneserussiankids's blog

日露国籍問題-国籍確認訴訟から見えてくる国籍法11条1項の問題-

コメント#59-日露国籍問題―実録、帰化手続のインタビュー(2)ー

 

japaneserussiankids.hatenablog.com

   元記事 ↑↑↑ を必ず参照してくださいね~。この記事は元記事の続編です。右側の月別アーカイブ「2017」のところをクリックして日付順に読むと理解しやすいと思いますョ。

 

 というわけで、今日はインタビューの具体的な内容について触れてみよう。担当官はA4で4ページほどの質問事項、確認事項を纏めた書類を作成してあり、それに基づいて進められた。大まかな質問内容は次の通りだ。。。

1.本人確認、手続きについて

運転免許証確認。本籍地に間違えが無いか。

法律上は国籍を喪失したということになっているので、国籍、戸籍を元に戻すということでこの手続きを進めているという説明があった。

2.どのように母親と出会ったか?

出会った時期と日本の在留許可(当時は短期滞在)関係との照合など。

3.長男、二男がロシアに出生届けを提出した経緯、及び、国籍喪失届けに拠らず、戸籍法105条による戸籍の抹消(民事局長報告による除籍)となった理由について

当然国側の主張を前提とした確認の仕方をしてきたわけだが、「それは違う」と言ってこちら側の主張を述べた。担当官は仕事柄、国籍関係の報道には全て目を通しており、形式上のやり取りという状況だった。担当官は「私の立場ではこのような確認の仕方しか出来ない」「この問題は26年ごろ(2014年ごろ)から自分も把握した」とも。こちらの主張は黙って聞いてメモを取っていた。最高裁決定の原本を見せたらコピーさせてほしいとのことだった。また、戸籍法105条による戸籍の抹消となったのはスジを通すという意味があったと説明。

4.三男がロシアに出生届けを提出していない経緯

準備はしていたが、この問題が判明し、取りやめたことを説明。

5.収入状況について確認

母親の収入状況、会社での勤務について。三男の幼稚園補助金について。既に書いたが、関係の書類を示したところ、コピーさせてほしいとのことだった。

6.父親の犯罪経歴の有無について

担当官「警察のお世話になったことはありますか?」、父親「何回もあるよ。。。」、担当官「えっ、どんな?」、父親「交通違反とか何回もあるよ、運転中に携帯使用したとかさァ。。。」、担当官「そんなに何回もですか?」、父親「年に1回か、、、2回あるときもあるかな。。。」、担当官「そういうんじゃなくて、悪いこと、、、もちろん交通違反も悪いことなんですよ、だけどそれとは違う悪いことで警察のお世話になったことはありますか?」、父親「そういうのは無いかなァ」。すると担当官は「なし」とメモ。

7.母親の日本への帰化について

「母親ももう10年以上日本にいて安定した生活を築いている。日本へ帰化するつもりはないのか?」との質問があった。それに対しては当面のあいだ、母親は日本への帰化の予定は無いと説明。「日本に帰化したら外国籍を離脱すべきことなんていう条件を示しているような状況で普通の外国人はそこまでして日本国籍がほしいなんて思っていないよ、、、母国には親や親戚もいるんだし、、、親や親戚がみんな死んだら状況は変わるんだろうがな。。。」という話しはした。

8.今後の予定について。

「今後の予定について説明します。通常は1年ほどで何らかの決定があります。」というので、父親「なに?1年もかかるの?この事例では数ヶ月で帰化させるんじゃないのか?」「心証悪かったか?」、担当官「心証悪いとはどういう意味ですか?」、父親「裁判やったからか。。。そういう意味だよ。。。」、すると担当官「いろんなケースがあるので、一般的な事例について説明しています。決定は法務大臣がします。ですから、私の立場ではこれぐらいですということは言えません。」というようなやり取りがあった。

 父親のインタビューは以上で終わり、次は母親のインタビューが行われたが、父親同様、まず最初に「日本に帰化したときにはロシア国籍を離脱することを誓約するという内容の書面」の作成が行われた。そして、本人確認や事実関係の確認など、本当に基本的なことを聞かれただけだったようだ。時間的にも父親と比べて全然短かったと言うし、しかも外国人へのインタビューなので大した内容ではなかったのは明らかだ。

 

 それで、、、このインタビューで終わりというわけではなかった。。。この後に問題になったのは、ロシア側が発行する国籍証明書だ。法務局から7月下旬の時点でもロシア大使館から国籍証明書が送られてこないと連絡があった。ロシア大使館に連絡すると、法務局からのファックスが読めないとかいろいろな理由をつけられる。すったもんだの末、法務局にロシア側の国籍証明書が届いたことを確認したのは8月のお盆明けという状況。そして法務局の担当者「これで書類がそろったので、審査に入ります。」と。。。「ハァ???今まで何やってた??」というのが父親の感想だったとか。。。

 

 これで原告側両親が行なう手続は一応、終わった事になる。後は待つだけだ。。。そして法務局の国籍課から電話があったのは、これから約半年後のことだった。。。というわけで、この後のことは次回で書かせてもらおうかと思います。それではまた。。。