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日露国籍問題-国籍確認訴訟から見えてくる国籍法11条1項の問題-

コメント#52-日露国籍問題-実録、自治体から児童手当などの給付金の返還を求められてもその必要はありません-

 

japaneserussiankids.hatenablog.com

 

 元記事 ↑↑↑ を必ず参照してくださいね~。この記事は元記事の続編です。右側の月別アーカイブ「2017」のところをクリックして日付順に読むと理解しやすいと思いますョ。

 

 今日は前回の予告どおり、児童手当や医療費の補助などの各種補助金の返還を行政から求められるという問題について、その必要は無いんですよ~。という内容を書いてみようかと思うわけです。。。

 

 で、、、いきなり理屈から入いらせてもらいます。。。この問題についていろいろと興味を持って調査してくださっているある研究者からの情報だ。。。2018年3月15日と22日に原告父親に対して情報提供されたものをそのまま掲載します。関係者で困っている人がいたら、積極的に周知してほしい。

 

以下、情報提供本文

 

◎3月15日情報入手分

 

 お子さんが住民登録されていれば(国籍を喪失していたとしても)、住民サービスの受給権があることを確認しました。遡って受給権が抹消されることはありません。

 

 2012年から非正規滞在者は住民登録されないことにはなりましたが例外もあり、非正規滞在者でも行政サービスを受けているケースもあります。

 在留資格取消期間中の給付金も返還不要とされているとのことです。

 

 ただし、自治体によりこうしたことを知らない場合もあります。もし、上手くいかないようでしたら、教えてください。

 

 社会保険在留資格は無関係なので、健康保険は問題なく使えます。

 

◎3月22日情報入手分

 

 自治体担当者への主張としては、

1. 児童手当は、国が公的に認めている非正規滞在者に対する住民サービスにははいっていない。

2. 一方で、自治体の判断で、児童手当を支給することは禁止されておらず、事例としても存在する。

3. とりわけ、在留特別許可をえる可能性が高い(確実性が高い)非正規滞在者に対しては、自治体は合法化(在特)を待たずして、支給していることが多い。

4. 当該子どもたちは、3.に該当するので、これまでの支給は間違っていない。

5. その根拠としては、当該子どもが、入管法第50条の以下の二に該当するからである。

 

法務大臣の裁決の特例)

 第五十条 法務大臣は、前条第三項の裁決に当たつて、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。

 一 永住許可を受けているとき。

 二 かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。

 三 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。

 四 その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。

 

以上

 

以上、情報提供本文終わり

 

 原告父親も、区役所に行って相談したわけだ。。。児童手当の担当部署を初めて訪れたのは3月15日だった。確定申告も終わり、一段落したところで、そのまま区役所に行った。。。実は、それに先立って、2月20日付の区役所の文書が届いていた(原告父親の手元に届いたのは2月21日だ)。「お子様の状況について」と「児童手当額改定届(減)、児童育成(障害)手当額改定届(減)」という書類だ。要するに給付金を返せという話しだ。。。そして書類の提出期限は3月19日を指定されていた。

 そんな訳で、3月15日に担当部署のところに行って、「こんな文書をもらっているんだが、、、」と言って見せた。担当者「ちょっとお待ちください」と言ってパソコンで子供の記録を調べる。。。当たり前な話だが、このときには、既に子供の住民登録は抹消されて何にも無い状態なわけです。。。しばらく調べていたが、担当者は父親のところに来て「あの~。。。今調べてみたら住民の記録が見つからないんです。。。」。父親「住民の記録なんて無いよ。。。抹消されちゃったんだから。。。」。担当者「引っ越ししました?」。父親「引っ越していませんよ」。担当者「エッ、どういうことなんですか???、じゃあ、子供は今どこにいるんですか???」。。。父親「子供なら私と住んでますよ。。。一緒にね。。。」「学校にもちゃんと通っていますよ~。。。校長に普通に通学してOKって言われてますから。。。」。というような説明をしたわけです。それでも、区の給付担当者は良くわからない訳だ。。。そんなこんなで「イヤさァ、こういう訳なんだよ。。。」といって戸籍謄本(除籍の記録)を見せた。。。そこには、「【国籍喪失日】平成19年11月30日」とか「【国籍喪失日】平成22年7月15日」とか書いてある。。。担当者「エッ、平成19年って・・・」というわけで、更に説明をしたわけだ、最高裁の決定があったことや、現時点では言ってみれば不法滞在者で、3月29日に在留特別許可が出る見通しであることなども。。。

 それで父親は「だけど、こんな書類(児童手当額改定届(減)、児童育成(障害)手当額改定届(減))出さないといけないの?」。担当者「そりゃ、資格が無いのであれば返金してもらわないと。。。」。父親「それは5年分かい?だけど自分は返還の必要は無いと思うね。。。」。担当者「いや、返還してもらうことになります」。父親「じゃあさァ、区議会議員の○○議員に問い合わせてみてよ。。。この問題ついては当初から関わっていて事情はわかっているから。。。」。担当者「区議会議員が何と言おうと、返還の必要があります。。。」というような状態だった。更には、一部法的な話もあったわけだが、そうこうしているうちに、どうもその部署の責任者と思しき人が出てきた。。。そして担当者と責任者らしき人、更に数人加えて5~6人がちょっと離れたところでひそひそ話をしている。10分位話していただろうか、、、担当者が戻ってきて「返還の必要はありません」「児童手当額改定届(減)、児童育成(障害)手当額改定届(減)を提出する必要もありません」「3月29日に在留特別許可が出たら、すぐに知らせてください。」ということになった。父親は担当者が変わればまた振り出しで最初から説明か、、、と思って。担当者の名前などを聞いたが、「今日のことはちゃんと記録されていますから大丈夫です」というような説明を受けて帰ってきた。

 

 ここで自分は思ったんだなァ~。給付金などの返還が不要とする根拠は、当初からこのブログで触れているような民法703条ではないと。。。民法703条に拠れば、受給できないという事実を知ったときから後に支給された給付金は返還しなければならない。(この父親のケースで言えば、際高裁決定があった日の翌日、つまり12月8日以降の受給分については利息をつけて返還する必要があるのだ。。。)。ところが、区役所の担当者の話しでは、「一切返還の必要は無い」という説明だったのだ。「それではどのような理屈で返還の必要なしという結論を出したのだろうか?」と疑問を持っていたところへ、上で説明した情報がある研究者によってもたらされた。そのような状態だったのだ。。。

 

 と、、、言う訳で、次回は、この問題が学会で報告されましたという内容を書いてみようと思うのです。原告父親が学会でパネリストとして一連の問題について報告するという機会に恵まれたのだ。この問題は国籍を研究する人たちや、弁護士、行政書士などの間ではずいぶん広く知られるようになった。。。これら研究者などの論文などについても少し触れてみようかなァ~と思います。さらに広く知られることによって国籍をめぐる根拠の無い思い込みや誤解を解消することができればよいのだが。。。

 

 今日は長くなっちゃったねェ~。それじゃ、また。。。