japaneserussiankids's blog

日露国籍問題-国籍確認訴訟から見えてくる国籍法11条1項の問題-

コメント#37-日露国籍問題-外務省「領事の手帳」から見えてくる日本行政のロシア国籍制度に対する誤解と認識(3)-

 

japaneserussiankids.hatenablog.com

 元記事 ↑↑↑ を必ず参照してくださいね~。この記事は元記事の続編です。右側の月別アーカイブ「2017」のところをクリックして日付順に読むと理解しやすいと思いますョ。

 

 前回までで、「領事の手帳」に登場する「一人娘」とその家族の置かれた立場を通して、この問題に対する2004年10月当時の在ロシア日本大使館の認識の実態を考察してみた。当時の在ロシア日本大使館がこのような認識だから、この問題による被害は当然の如く拡大することになる。さらには、日本国内の別の要因によって、これらの問題が修正される機会さえも失うことになったのではないかと思うのだ。

 

 当時の領事が「この国ロシアは昔も今も大きく、複雑で、難解だ。」と書いている通り、この文章は、2004年10月当時の在ロシア日本大使館のこの国籍問題に対する理解を如実に物語っているということが出来るだろう。つまり、この国籍問題について言えば、在ロシア日本大使館がロシアに対する理解不足、誤解によって翻弄されている一方で、ロシア側はこの「一人娘」が日本国籍者であり、ロシア国籍者ではないことを十分に承知しているのだ。。。ロシアという国は、良くも悪くも、したたかで、しかも、一本スジを通している。。。何たって、在ロシア日本大使館側は「日本とロシアの二つの国籍をもっていた。」と明確に二重国籍であるとの認識でこの文章を書いているような状態だ。2004年10月当時の在ロシア日本大使館の領事がこの認識なのだ。。。そしてまた、当時のほとんど全ての日露カップル、パスポートセンター職員、出入国管理官、などなど・・・の認識でもあった。。。この認識が変わることになるのは、既にこのブログコメントで触れたように2011年から2013年ごろにかけてだ。。。まァ、在ロシア日本大使館そのものがロシア側に見事に丸め込まれちゃったわけだなァ。。。そりゃさァ、日露カップルの子供の日本国籍という法的地位が、結果としてみんなゴッソリ奪われちゃうわけだってさァ。それぞれの国にそれぞれの主張があるわけだよ。。。北方領土と同じようになァ。。。そして、その主張がぶつかることがあるわけだ(もちろん、その主張の良し悪しは別だ。)。。。自分も、このことは十分に承知しているつもりだ。。。こんなことは自分も日本人として認めたくは無いが、いろんな意味でロシア側は一枚も二枚も上手だったということだ。そして、説明のために一例を挙げれば、この国籍問題と北方領土問題との大きな違いは何か???北方領土問題はロシア側の主張に対して、日本側の立場もそれなりに主張しているが、この問題に関して言えば、ロシア側の主張に対して日本側は「おぅ、そうか、じゃあくれてやる、持ってけ。。。」とやったわけだ。日本という国家、国民に対して背信的な対応だといっても良い。

 

 まァ、この問題が行政内部で表面化した当時(つまり2010年から2012年ごろ)の法務省や、外務省の上層部が、実際のところどこまでこの問題の実態を知っていたかは判らないが、仮に実態が判っていたとしても、当時の政権じゃ、対応は知れているだろ、、、尖閣諸島中国漁船衝突事件を考えれば納得もいくというもんだ。。。判りにくければ言い方を換えるが、行政側のメンツと事なかれ主義、隠蔽主義(仮に、在ロシア日本大使館が「この国ロシアは昔も今も大きく、複雑で、難解だ。」という認識だったとして、だからこそ、在ロシア大使館、あるいは外務省がロシア当局ときちんとコミュニケーションをとる、あるいは主張すべきは主張するという姿勢があったら、この問題は早期に発覚して、この問題に巻き込まれる子供の数はぐっと減ったはずだ。。。)のために、関係の子供たちの日本国籍という法的地位をバッサリと切り捨てた。。。ちなみに行政側の末端職員なんかは、問題の実態などを知る由も無かっただろう。。。そしてさらに、行政書士業界の利益が一致したことで、約1000人近い、あるいはそれ以上かもしれないが、相当数の子供たちの日本国籍を闇に葬ろうという結論が暗黙のうちに自然に導かれたわけだ。。。そして、例の行政書士さんのホームページの「行政書士の私は、以下を確認済です。東京法務局戸籍課(日本で最大規模の地方法務局)の5~6人の意見が一致し、また、外務省旅券課のベテラン職員+中堅職員+若手職員ら全員意見一致、及び、法務省民事局民事一課のベテラン職員も同じ結論」という記載が示すように、その「問題処理方法の再確認」をすることで、本来認められるべきではない暗黙の結論(一部のこの問題に深くかかわる行政書士はこの問題の実態、本質を十分に理解していた筈なのにだ。。。)を決定的なものにしてしまったのではないのか。。。それまで、行政書士の側からしても、行政側が問題の対応をあいまいにしたまま、どのように認識しているか確認が取れなかったから、「日本国籍を失うということを関係の役所と確認」する必要があったんだろうからなァ。。。

 

 さて、法務省、外務省はこの文章をどの様に説明するのか???この裁判の高裁判決で控訴人側が勝訴すれば報道に乗ることになるわけだが。。。この外務省の「領事の手帳」に対するコメントは一体どの様なものになるのだろうか?まァ、コメントがあればと言う話だが。。。

 

 それと、一つお知らせしたいことがあります。先日、高裁第3回公判が開かれました。双方からの書面が提出され、結審しました。この被控訴人側(国側)の書面がまた面白いんだなァ~。もうねェ~、、、国側は勝つためなら「形振り構わず」「恥も外聞も無い」って言う状態なんだろうねェ~。だけど、姑息な手段をとったところでさァ、裏目に出ちゃうもんなんだなァ~~~。まァ、これについては、次回ちょっと触れてみよう。。。そして判決ね。。。4月中旬に決まりました。。。どうなるか、、、楽しみだなァ~~~。