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日露国籍問題-国籍確認訴訟から見えてくる国籍法11条1項の問題-

コメント#25-日本で生まれた日露カップルの子供の国籍問題について思う(2016年8月8日コメント)

 

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 元記事 ↑↑↑ を必ず参照してくださいね~。この元記事についていたコメントをそのまま転載したものです。右側の月別アーカイブ「2017」のところをクリックして日付順に読むと理解しやすいと思いますョ。

 

 さて、今日は、なぜ今回の1審判決のような不公正な判決が出されてしまうのか、その背景について書いてみようかな。。。

 その前に、控訴理由書の状況について少し触れておこうか、、、
 控訴理由書は控訴状が提出されてから50日以内に提出することが求められているが、わずか50日で控訴理由書を作成するのは大変なことだ。どうやら、期限には間に合わないのではないかと言う状況らしい。。。だけど、刑事事件とは違い、ある程度柔軟に(上告の場合はそういう柔軟な対応はされない。)対応されているようだ。何と言っても1審判決の問題点など、法律面、事実面の両面から指摘すべき問題点は全て網羅して指摘する、しかもその根拠を全て示すとなると相当量の文書になると見られる。それだけ問題の多い判決だったと言うことだ。。。(一方で、高裁における公判の期日は10月上旬に決まったようだが。。。)

 さて、それでは話を元に戻そう。そもそも、なぜこのような、控訴理由書を作成するだけでも一苦労(しかも3名の弁護士がかかわってだ、、、)となるような問題の多い判決が出されてしまうのか???
 どうも、行政訴訟においてはそんなに珍しいことではないらしいのだ。先にも書いたが、行政訴訟での国側に対する側(つまり今回の場合で言えば原告側だ)の勝率は10%以下程度、それも一部勝訴を含めてとされている。ところが、今回の1審の裁判で言えば、この勝率10%以下の中にカウントされてしまうかもしれないというのだ。なぜなら、今回の裁判の争点は2つあった。つまり、①(裁判の)確認の利益の有無、②原告らが国籍法11条1項に基づき日本国籍を喪失したか否か。このうち①の確認の利益の有無については原告側の主張が全面的に認められているのだ(当然の話しだ、、、)。このことが、一部勝訴と判断されるとすれば、この10%の中に入ってしまうかもしれない。。。つまり、90%以上が完敗と言うことだ、行政訴訟を勝つということが以下に困難なことかを実感する。。。

 日本に於いては、一般の国が絡まない裁判(つまり、行政訴訟以外)だったら問題なく公平な判決が得られるのかもしれない。しかし、行政訴訟となると、公平な裁判は期待できないのではないだろうか?
 確かに、国を相手にした裁判は、言ってみれば国に対するイチャモンみたいな裁判が多いのは事実だと思う。当然これらの無意味な裁判が対国の行政訴訟の勝率を引き下げているのだろう。しかしだ、それを以って行政裁判が公正に行われていると言うことを意味しない。「判検交流」と言う言葉があるように、現在の司法システムにおいては司法と行政は事実上一体化している。行政訴訟に於いても、例えば、文部科学省だとか、国土交通省などのように、法務省と関係の無い行政機関相手だったらまだ幾分公正な裁判がされるのだろう。ところが今回のような法務省を相手にした場合、公正な裁判など所詮無理な話なのだろうし、これら「判検交流」の問題点については、もっと広く社会一般に周知されるべきだと思う。日本が民主主義国家であり続けるためには、司法の完全な独立が大前提だと考えるからだ。。。

 ちなみに今回の判決に関して言えば、裁判所は国側に有利な証拠は積極的に、本来の証拠の内容以上に評価して採用するが、原告側に有利な証拠は全く無視されている(原告に有利な証拠が採用されなかった理由も触れられていない。それどころか、証拠そのものにすら判決の中で全く触れられていない状況だ。)。詳細に分析してみると、まるでナチスドイツの時代の裁判や、現代に於いては近辺の一党独裁国家で裁判が行われて判決が書かれたと錯覚する様な内容だ。司法の独立が大前提である民主国家の裁判だとはとても思えない。今まではこのような不公正な行政裁判がまかり通っていたのだろう、そして問題が闇に葬られてきた。。。しかし、今はネットにいろいろな情報が流れる時代だ。ちなみに刑事裁判など一部に於いては2012年から「判検交流」が廃止されたとも聞く。それでは行政裁判(民事裁判)に於いて未だに「判検交流」が廃止されていないのか??誰か「判検交流」が廃止されては困る人がいるのかい???自分にはよくわからないなァ~。。。

 自分たちが本当の意味で問題にするべきは、この日露国籍問題を闇に葬ろうとする法務省の姿勢ではなく、「判検交流」をはじめとする裁判のシステムなのかもしれない。。。