japaneserussiankids's blog

日露国籍問題-国籍確認訴訟から見えてくる国籍法11条1項の問題-

コメント#54-日露国籍問題-最近の国籍問題の報道について、そして本件国籍確認訴訟の柳井意見書が論文となって公表されました-

koku 

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 元記事 ↑↑↑ を必ず参照してくださいね~。この記事は元記事の続編です。右側の月別アーカイブ「2017」のところをクリックして日付順に読むと理解しやすいと思いますョ。

 

 みなさん、ご無沙汰しておりました。前回書いたのが7月4日か~~。時が経つのは早いもので、、、今年もいよいよ残り2週間となりました。。。年内にもう一回、最後になんか書こうかなァ。。。なんて思って書いています。。。

 

 ということで、まず先に原告の状況をお知らせすると、7月13日午後3時に東京法務局国籍課の担当者とのインタビューがあったとのことです。その後、8月お盆明けには在日本ロシア大使館からの国籍証明書が東京法務局国籍課に到着したことが確認され、現在は審査中という状況となっています。

 

 そして、、、このところの国籍問題に関する社会の動向なんだが、9月30日付東京新聞に大図解「国籍を考える」という国籍法関係の記事が書かれたり(もっとも、内容に問題があって10月21日付でこれまた、ちぃ~ちゃな訂正記事が出されたりしたが、、、まァ、参考までに訂正の内容だが、「米国籍を選んだ場合、日本国籍は自動的に失う」という誤報だ。。。そんなネェ、米国籍を“選んで”日本国籍を自動的に失うなんていうことは無いわけです。だいたい、米国に国籍選択制度は無い。米国籍を自分で選択したところで、自発的に日本国籍の離脱届を出さない限り日本国籍は無くならないのです。。。報道機関がこのような間違った報道をして、その報道を何も考えずに鵜呑みにする人が大多数であるわけだ。ナンボ訂正記事を出したって、社会的な悪影響は計り知れない。。。)、10月20日には日経新聞で「二重国籍、日本に「89万人」 欧米容認、国・企業に利点」という記事が掲載された。これは国益という側面を重視した記事なんだが、ようやく新聞紙上にも国籍問題を直視しようという動きが見られるようになってきた。喜ばしいことだ。。。

 

 さらに、つい先日には「週プレニュース」で国籍法11条1項のことについて少し触れられている。。。こういった媒体を通して出来るだけ多くの人に国籍法の問題点を知ってほしいと思うんだなァ~。。。ちなみに記事は以下のURLで読むことができます。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2018/12/13/107766/

 

 もう一つ、このブログの本来のテーマである日露の国籍問題、国籍確認訴訟について、その2審(東京高裁)で二つの意見書が提出されたことは既にこのブログの中で触れている(コメント#33、コメント#34)。そのうちの一つ(コメント#34)が正式に論文となって発表されている。このように論文となったものついては、明確に書いて差し支えないから、ここで内容を明らかにしようと思う。

「国籍を離脱させられない自由-国籍法11条1項による日本国籍の剥奪-」

関西学院大学 法学部 柳井健一教授

論文は以下のURLから、本文にアクセスできます。

https://kwansei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=27281&item_no=1&page_id=30&block_id=85

 内容的にも非常に説得力のあるものなので是非皆さんにも読んでもらいたいと思う。このような内容でありながら、この意見書は高裁では全く検討されなかった。。。残念なことだ。。。

 

 もう一つの学者の意見書(正確には聞取り報告書)も多くの人に知ってほしい内容だが、こちらはもうしばらく待ってほしい。

 

 他にも、研究者などからこの問題についてはいくつかの論文や報告が出されているし、前回のコメントのようにシンポジウムなどで報告もされている。また、日本弁護士連合会の「人権擁護大会」の報告書にも本件のことが掲載されているようだ。このような形で問題意識が高まって、多くの人が考えるきっかけになればよいのだが。。。

 でも、実際のところは最高裁の判決や決定は絶対に正しいと短絡的に考える人が多いようなのです。だけど、そんなことはもちろん無いわけです。良く考えないといけないのです。「オイオイ、それ本当かぁ~」ってね。。。ところが、日本の社会を見てみると、あまり考えずに周囲の人の意見や雰囲気に流される人が多い(日本の社会全体がそのような傾向がある)ように思うわけです。。。結局は教育の質なんだろうと思う。。。日本の小中学校なんかは自分の頭で考えるという訓練がされていない、というよりむしろ、自分の頭で考えない訓練がされている。だって、ガッコウやセンセイが決めたこと(いわゆる校則や制服だ。)には何も考えずに従えという教育なんだから無理も無いがねェ~。当事者関係者が良く考えて議論するという習慣がついていれば「オイオイ、それ本当かぁ~」という形になるのだ。しかも当事者関係者が議論を尽くして決めたものは自発的に守られるものだと思う。自分は、こういう考えさせない教育が決して良い結果をもたらすことは無いと思うがなァ。。。これまた極端な例だが、あの悪名高きヒトラーだって民主的に選ばれたことを忘れてはいけないのだ。。。

 

 今日はこの辺にしようかな。。。皆さん、良いお年をお迎えください。。。